ウォラーFRB理事、追加利下げを支持-インフレは鈍化継続へ

Amara Omeokwe

January 8, 20253:34 PM

- ​インフレ率は当局目標の2%に向けて低下を続ける-ウォラー理事-- 関税政策、インフレに顕著な影響は与えないと予想-ウォラー理事

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、インフレ率が当局目標の2%に向けて低下を続けると予想。年内の追加利下げを支持する姿勢を示した。

ウォラー理事は8日、経済協力開発機構(OECD)がパリで開催したイベントで、「常に言っていることだが、追加緩和の程度はインフレ率2%に向けた進展がデータによってどう示されるかに左右される。だがここで私が言いたいのは、さらなる利下げが適切になるだろうということだ」と述べた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は昨年9月に利下げを開始し、12月まで3会合連続で引き下げた。参加者による最新の四半期予測では、中央値で2025年に2回の追加利下げが見込まれている。ただ当局者の見解には開きがあり、ウォラー氏もそのことに言及した。

ウォラー氏は「私がここで述べたような形で見通しが進展すれば、私は2025年に政策金利を引き下げ続けることを支持する」と発言。「利下げのペースについては、労働市場の軟化を抑えつつ、インフレ面でどの程度進展するかに左右される」と語った。

ウォラー氏は、インフレ率が2%目標に向かって低下を続けると確信する理由を説明。6カ月間の基調的なインフレ基調や11月の物価データが予想よりも良い内容だったこと、さらに、主要なインフレ指標の算出において直接実際に観測された物価ではなく推計された価格が果たした役割などを挙げた。

パウエルFRB議長を含め複数の政策当局者は、追加利下げを急ぐ必要はないとのシグナルを発している。そうした慎重姿勢は、インフレに対する根強い懸念や労働市場が総じて堅調さを維持していることが背景にある。

先物市場では、FOMCが1月28、29日の会合で利下げする可能性はほぼゼロと見込まれている。

ウォラー理事は、最近はインフレ面での進展がごくわずかなものにとどまっていることから「政策金利の引き下げペースを減速させる、または利下げを停止するよう求める声が上がっている」としつつ、「だが私は、インフレ率は中期的に2%目標に向かって進展を続け、さらなる利下げが適切になると考えている」と語った。

関税の影響

ウォラー氏はまた、トランプ次期米大統領が公言している関税政策が物価に上昇圧力をかける可能性についても言及。

「関税がインフレに顕著な、または持続的な影響を与えることはないと私はみており、その予想通りであれば、適切な金融政策に関する私の見解に影響する可能性は低いだろう」と述べた。

原題:Fed’s Waller Supports Further Cuts, Says Inflation Moving Lower(抜粋)
(ウォラー氏の発言を追加し、更新します)